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高度障害にてヘリ搬送

2018年2月26日

 

発生日2017年05月07日
体験者名2017年Y134
登山地域農鳥岳

 

 

登山概要

■パーティ人数:2人
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:テント泊
■登山内容:縦走
■天気:4泊5日予定で中2日ほど強風で大荒れ、あとは晴れ

 

ヒヤリハットタイプ

■解決種別:救助要請(警察・消防)
■登山計画時にそのリスクに対する検討を行ったか:した
■行動中にリスク回避や軽減が行えたか:した

 

ヒヤリハット本文

西農鳥から農鳥小屋への下りで雪の状態が悪かったが、ピッケルではなくストックをもったまま斜面に入ってしまい1名が滑落、指を斜面に刺してなんとか止まる(斜面がゆるかったため加速せず)。その後もう一名もやや滑落。農鳥小屋で夕方17時近くになりその日の幕を張る。農鳥から来た50-60代男性パーティーが西農鳥の斜面をあがっていくのを見ていると、また1名が滑落。斜面に対する恐怖心が生まれる。 その後二日ほど悪天候のため停滞となり、最終日に大門沢下降点からの下山を決めるも、西農鳥の斜面への恐怖心から、一旦荷物を持たずに偵察へ出る(7時過ぎ)。いけそうだとわかりテント撤収に小屋まで降りて支度を終える頃、男性40歳が具合の悪さを訴えた。過呼吸のような呼吸の乱れから始まり、手の硬直があらわれる。本人からの希望で同行の私(38歳女性)が救助要請を行う。20分かからずにヘリが到着、病院へ搬送された。血中酸素濃度の低下がとのことで、点滴ならびに酸素マスク?にて状況改善。入院なし。治療終了が13時ごろ。

 

要因分析

 

装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)

 計画時出発直前行動中
装備
コース長いコースのため、勇気を持った撤退もあり。 (笹山ダイレクト~仙丈ヶ岳)
山の状況天候が悪そうなので、停滞もありえる。滑落が同じ斜面で2時間以内に3度ほど起きていることから、西農鳥の斜面に対してかなりナーバスになっていた。 停滞が思ったより長くなり、帰れるかどうか怪しくなってきて焦った。

 

登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表

 計画時出発直前行動中
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他状況が悪かったため、何度か県警?に相談で連絡を入れていた。これが実際の救助要請のときのスピード感に繋がったと思う。(事前相談の良し悪しは別として)

 

対策

ゴールデンウィークの長期3000m級縦走は天候に不安があった場合は控える。高山病の症状のバリエーションについて学習上級救命救急の講習を受けているが、その復習など