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クレヨンしんちゃんの怨念とユーモアが交錯する死の世界への誘いこみ瞬間金縛りからの転倒事例。

2018年2月26日

 

発生日2009年09月24日
体験者名2017年Y112
登山地域荒船山

 

 

登山概要

■パーティ人数:5人以上
■山行スタイル:山岳会やサークル
■宿泊:日帰り
■登山内容:山頂往復
■天気:晴れ

 

ヒヤリハットタイプ

■解決種別:その他
■登山計画時にそのリスクに対する検討を行ったか:しなかった
■行動中にリスク回避や軽減が行えたか:しなかった

 

ヒヤリハット本文

私の所属しているトレッキング同好会約25-30名の隊であったが、荒船山頂に登った帰りの下山中の、下り傾斜の自然道を小股にステップを踏んで、普通に右脚を後方から前に出す際に、草の塊か小枝のからみか雑木に引っかかったのか、右脚を取られ前に持って行けず、身体は前のめりになっているため、そのまま顔から落ちていった。転倒のスピードが速すぎたためなのか、手には何も持たず空いていたのだが、カバーするのが間に合わず、そのまま、こめかみから先に地面の平らな岩の表面に当たった。こめかみが岩に当る最後の落ちてゆく0.1-0.5秒間が意識も、見えている周りの風景も、そのスピードも、すべてがまるでスローモーション化したように見えた。背負っているリュックも含めて全体重が右のこめかみ(右目と右まゆのやや右の全体が少し広くくぼんだ所)に集中したのだが、その割には擦過傷のような外傷もなく、内出血もなく、骨にも異常なく、打撲による打ち身もなく、只、当った瞬間に痛みがあっただけで、その痛みも立ち上がり歩き始めるとすぐ引いて不思議なほどにダメージはなかった。おりしもH21年9月と言えば、その11日にクレヨンしんちゃんの作者の臼井儀人(うすいよしと)さんが頂上近くの岩場から転落して亡くなった月であり、その13日後にあたる日であった。私は右脚が何かに取られ前に進めなかったこと、手で顔をカバーできなかったことはその時一瞬ではあったが、確かに金縛りのような身動きが取れない状態を感じた。そのために普段なら転びそうもない何の変哲もない自然道を転んだのだが、その原因がこの金縛りの他にあるとは思えない。この金縛りはクレヨンしんちゃんの作者の臼井さんが、呼び寄せようとしたのではないかと一瞬思った。が、クレヨンしんちゃんの作者臼井さんのユーモアから又は寂しさからなのか、山の仲間を誘い込もうとしたのだが、コミカル漫画の作者でもある良心がそれを最終的にはためらって、その一瞬でも誘い込んでしまった己の懺悔のためにせめて痛みは取ってやろうとしたのではないかと思っている。山を愛し、山で亡くなったすべての方々は善人であり、誰1人として悪人はいないのである。と私は信じて止まないのである。

 

要因分析

 

装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)

 計画時出発直前行動中
装備
コース
山の状況天候も良く、問題なかった。

 

登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表

 計画時出発直前行動中
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他

 

対策

山ではたと家の近くの里山であっても丘であっても、いや山とか丘でなくても、どんな時でも歩道でもいつどんな災難が訪れるかわからない。そのすべてにそなえる予防策は無いのかもしれないが、もし、災難にあった時には、大小の違いはあるが、対処の仕方と気持ちの持ち方が大切であるという考えを持ちました。