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メンバーがほぼ同時刻に転倒骨折発生と脳梗塞発症。計2名。

2018年2月26日

 

発生日2015年10月18日
体験者名2017年Y061
登山地域皇海山

 

 

登山概要

■パーティ人数:5人以上
■山行スタイル:山岳会やサークル
■宿泊:日帰り
■登山内容:山頂往復
■天気:曇り時々晴れ。

 

ヒヤリハットタイプ

■解決種別:救助要請(警察・消防)
■登山計画時にそのリスクに対する検討を行ったか:どちらともいえない
■行動中にリスク回避や軽減が行えたか:どちらともいえない

 

ヒヤリハット本文

アプローチから前半ピークハント迄は、いつものデイハイク。 下って、一休みしようとした数分前に一人が転倒。 その様子から足が、正面から見て右に曲がっていることから、明らかに骨折と判断。 電波取れる場所まで登り返し、警察消防と連絡をとっている最中に(多分30分位)、今度は別のメンバーが突然意識を失って倒れた。 たまたま後続の通りすがりの医療関係者と思われるハイカーから、手の震え等から即座に救出しないと大変とアドバイスを受け、ヘリの救助要請わした。 速やかな救助ができたのは、普段記録用に携帯しているGPSロガーで極めて正確な座標を伝えることが出来たのが要。 その後、ヘリに乗せて、骨折した方のメンバーに倒れたメンバーの経緯を説明し、救助士の判断でドクターヘリに乗り換えそのまま前橋の赤十字病院へ搬送。 iCUで、詰まりを溶かす治療で半日後には意識を取り戻した。 事故は12時半頃。前橋赤十字病院を出たのが20時頃であったと記憶している。

 

要因分析

 

装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)

 計画時出発直前行動中
装備
コース難易度そのものは普通だし、むしろ稜線迄、沢筋の登山道なので、多少の難儀は安易によそくされた。
山の状況

 

登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表

 計画時出発直前行動中
楽観的・希望的な解釈特段に特記するべき記述はなし。 いつもの通りのリーダーと連れ行くメンバー。
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動名山としてアプローチがとても長く、メンバーを集って経費セツヤク志向の山行であったため、これを逃したら、次のチャンスはない。 と言う意識が特に公言しなくとも自然と全員に行き渡っていたと思われる。そもそも後日談であったが、脳梗塞を起こしたメンバーはその日、最初からめまい等があったことが他のメンバーとの話しで分かったこと。その事実を隠してリーダーに伝えなかったこと。骨折の方はピークハントを終えて、休憩を入れよう。と伝えて、コルの広場が見えてきた。いわゆる気分的に緩むタイミング。
リスク低減行動の継続的実践
その他

 

対策

今回の事例は5人で行って、ほぼ同時刻に傷害と疾患というアクシデントが発生し、普段の意識の持ち方。モチベーションを維持し集中力を持って慎重な動きがどれだけ大切か。(丁寧な足さばき。地道だか最も基本的な事。) と言うこと。誘われて、無理な体調でそのまま突き進むと言うことが、思わぬ疾患を誘発するかと言うこと。(普段の健康管理。誘われたから行くという安易な気持ちでなく、体調の悪い時には素直に事前申告。) を、徹底したい。後の消防の事象徴集で報告書にまとめました。