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赤岳で滑落

2018年1月23日

 

発生日2017年12月18日
体験者名2017年Y131
登山地域赤岳

 

 

登山概要

■パーティ人数:3~5人以上人
■山行スタイル:ガイド登山
■宿泊:山小屋
■登山内容:山頂往復
■天気:晴れ

 

ヒヤリハットタイプ

■解決種別:自力下山
■登山計画時にそのリスクに対する検討を行ったか:あまりしなかった
■行動中にリスク回避や軽減が行えたか:あまりしなかった

 

ヒヤリハット本文

ガイドツアーにて赤岳鉱泉より1対2人で登山。8時に文三郎尾根より登りはじめ、様々な歩行技術を習いながら歩行したため、途中から足が疲れてきていた。樹林帯を抜ける辺りよりロープ確保を行った。この先の斜面でかなり息も上がりキツいなと思っていた。岩場では積雪はほとんど無く、アイゼンワークが難しいと感じながらも11:30に登頂。地蔵尾根に向け下山を開始した。下山開始後少し経って急斜面を降り、階段になったところで1つの段差が高いなと思いながら足を降ろしたらそのまま背中から谷側へ転落した。ロープがあったため3m程度で止まり、雪が深かったおかげか、ぶつかる前にテンションがかかったおかげか地面にぶつかった衝撃もなかった。落ちたということはすぐに分かったが、恐怖感はなく、後ろを振り返ってそのすぐ先は急斜面であったことに気付き、ガイドと同行者の緊迫感のある表情で危険な状況を理解できた。

 

要因分析

 

装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)

 計画時出発直前行動中
装備
コースガイドもいるので途中で帰ることも積極的に相談しようと思っていた。
山の状況

 

登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表

 計画時出発直前行動中
楽観的・希望的な解釈雪山2年目。まだまだ技術が足りないはずだからツアーなどのガイドがいるものに行こうと思った。しかし、このとき漠然と雪山=危険としか考えておらず、前年に行った山行があまりにも快適であったため、何が危険なのか理解していなかった。危機感がなかった。
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動体力的に登れるのか不安を感じていた。登山中かなりきついと感じていた。しかし、登れてしまい、景色も良かったためかなり興奮していた。下山を開始し気が緩んでいたように思う。特に岩場を過ぎた頃何度か横風を受けよろけることもあった。集中が切れていたと思う。お地蔵さんを過ぎ、地面に積雪が増えアイゼンもよく効くようになり更に緊迫感が緩んだ。この頃には夏山感覚になっていたように思う。「ちょっと高いな」と安全ではないと感じたが、今までの夏山でも感じたことのある感覚であったため足を降ろしてしまった。 また、この時疲れも感じており、3点支持を無視し、ピッケルを掛けることも手をつくこともしていなかった。
リスク低減行動の継続的実践
その他

 

対策

転滑落は本当に身近であると感じた。落ちてその時を振り返るまで、自分が滑落するとは本気で思っていなかった。 事故らない技術も大切だが、起きても大丈夫な安全の確保も大切な技術だと思った。 まだ最近のことなので実施していることはないが、足元の確認をしっかりしていくのと、体力増進を行いたい。