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夏の大日岳で道を間違い、枯れた沢を登ってしまう

2018年1月18日

 

発生日2016年8月
体験者名2017年Y068
登山地域大日岳

 

 

登山概要

■パーティ人数:5人以上
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:日帰り
■登山内容:山頂往復
■天気:日中は晴れ、昼過ぎごろから曇り/雨

 

ヒヤリハットタイプ

■解決種別:自力下山
■登山計画時にそのリスクに対する検討を行ったか:しなかった
■行動中にリスク回避や軽減が行えたか:あまりしなかった

 

ヒヤリハット本文

2016年8月に友人同士で大日岳へ日帰り登山に行きました。登山経験者~初心者まで混在したパーティーで、年齢が32~33歳の同級生5人のパーティーです。大日岳は称名滝横の登山口から登りのコースタイムが5~5.5時間でした。日帰りなので、皆荷物は軽量です。今回はコースのちょうど中間に大日平山荘、山頂手前には大日小屋があり、登山初心者もいたため、無理なら途中の山小屋までで下山しようということで朝7時ごろ出発しました。先頭は何回か大日岳に登ったことのある友人が道案内も兼ねて、初心者のメンバーの様子を見つつペースを合わせて進みます。序盤は何の問題もなく大日平山荘に着きました。9時半ごろだったと思います。ここで陽気なおじさんグループと仲良くなりました。このおじさんたちは初の大日岳登山で、今日は山頂まで目指すそうです。休憩をし、少し歩くと先に出発したおじさんグループに追いつき、しばらくはおじさんグループの後に並んでしゃべりながら進みます。大日平小屋を過ぎて少し先に進むと晴天時は岩がゴロゴロした枯れた沢を横切って進むことになります。沢の方向にはロープが張ってあり、先に行かないよう注意喚起がしてあります。しかし、私達はこの沢に差し掛かった時、正しいルートと沢のロープに気付かず沢を登って進んでしまいました。前を歩くおじさんグループ、私達グループも気づいていません。1時間ほど進んだでしょうか、沢の岩が大きくなり登りにくくなります。目印らしきものもありません。ここでようやく道に間違ったのではないかと気づき、みんなで話し合いました。結局、残り時間、体力、道を間違えたことによる気持ちの落ち込みを考慮し、来た道を引き返しました。沢の入り口まで戻ると規制のロープと正しい登山道がはっきりとわかりました。私達は前を歩くおじさんグループについていっただけで、話に夢中で誰一人ルートの確認をしていませんでした。少しまわりを見ていればロープに気付いたはずです。また、私達グループに大日岳に来たことのあるメンバーがいたため、ルートはその人まかせで、誰も下調べをしておらず、地図等も持っていませんでした。登山地図やスマホで登山地図のアプリを用意する、事前の下調べをするなどの対策をしていれば防げたミスでした。ルートが一本道だからといって油断せず、下調べや備えが必要だということを学んだ登山となりました。

 

要因分析

 

装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)

 計画時出発直前行動中
装備・登山地図、アプリの有無をメンバー間で確認していなかった。
コース・「ここはこんなコースだよ」等の軽い感じでしかコースについての状況を把握していなかった。
山の状況

 

登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表

 計画時出発直前行動中
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動・誰も下調べを行っておらず、登ったことのあるメンバーに依存しすぎていた。 ・「前を歩く別パーティーについていくだけ」という状況になり、誰も自分で考えていなかった。
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他

 

対策

・登山地図、アプリは必ず携帯する。 ・話に夢中にならないで、周りの状況を確認する。 ・事前にルートを良く調べておく。