発生日 | 2014年11月30日 |
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体験者名 | 2017年Y046 |
登山地域 | 丁須ノ頭 |
■パーティ人数:1人
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:日帰り
■登山内容:周回
■天気:晴れ
■解決種別:自力下山
■登山計画時にそのリスクに対する検討を行ったか:しなかった
■行動中にリスク回避や軽減が行えたか:少しした
丁須ノ頭へ御岳コースから登山中、道を間違え、断崖の手前で前進不能となった。しかし、ここまでの道にもピンクリボンがあり、電子地図を見ても、鼻曲り(ザンゲ岩)にいることになっている。不思議に思っていたら、20mほど上から、登山者の声が聞こえてきた。それで、自分が始めて道を間違っていることが確信できた。登山道は尾根の上を通っており、自分はその登山道に沿った崖下の道を歩いてきたようだ。本来なら間違えた地点まで戻るのが鉄則だが、正規の道がそこにあることがわかっているので、そこまで草つきの斜面を登ることにした。わりと急だったが、登れる確信があった。しかし、登り始めてすぐ、枯れ枝を掴んでしまい、後転する形で転落した。自分が歩いてきた踏み跡の下は高さ200mはあろうかと思われる断崖だった。転がり始めた時は「しまった。でもすぐ止まるだろう」と思ったが、2回転したても止まらず、「あ、死ぬ」と思った。その直後、根曲がりの樹木にすっぽり股が収まり、止まった。「助かった」と思ったが、しばし呆然。きれいに回転したので、メガネも外れず、顔にちょっとしたかすり傷を負った程度だった。安全を確かめてから、歩いてきた踏み跡に戻り、ここを直登するのはさすがに諦め、正規の道まで戻って、登山を続けた。
計画時 | 出発直前 | 行動中 | |
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装備 | |||
コース | |||
山の状況 |
計画時 | 出発直前 | 行動中 | |
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楽観的・希望的な解釈 | |||
調査・観測結果に基づくリスク対策行動 | 道を間違えた地点は、正規の道が右手の岩場、間違ってしまった道はそのまま直進の踏み跡だった。戻ってみたら、進行方向に「×」のペンキがあった。これを見逃していた。注意力の欠如である。 道を間違えたと気づいた時はいつも引き返していたが、この時は、正規の道がすぐ上にあるとわかっている状況で、つい色気が出てしまった。心理的な落とし穴であった。 草付きの急斜面を登る経験は沢登りの際の高巻きなどで経験があったが、注意すべき点をきちんと認識していなかった。知識・技術の欠如である。 | ||
安全最重視の行動 | |||
リスク低減行動の継続的実践 | |||
その他 |
道を間違えた時には引き返すという原則の徹底。単独の場合は正規の道以外は極力歩かない。