Scan the QR Code

急激な増水によるテント流失

2018年1月17日

 

発生日1994年07月26日
体験者名2017年Y009
登山地域魚野川本谷源流部

 

 

登山概要

■パーティ人数:1人
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:テント泊
■登山内容:沢登り
■天気:曇りのち雨

 

ヒヤリハットタイプ

■解決種別:自力下山
■登山計画時にそのリスクに対する検討を行ったか:少しした
■行動中にリスク回避や軽減が行えたか:少しした

 

ヒヤリハット本文

魚野川本谷を遡行中、源流部でツエルトにてビバーグ中。夕方から降り出した雨が夜になっても止まなかった。後から思えば上空に寒気が入っており、大気が不安定で単なる夕立とは異なっていた。寒気による不安定降水を甘く見ていたことが原因のすべてだった。少し高いところに泊まっていたつもりだったが、浸水してきた水で眼が覚めた。時間は22時ころ。慌てて撤収。すぐ背後にさらに1mほど高いインゼルになっているネマガリダケの藪があって、そこに荷物と自身を避難。立ち上がったと同時にツエルトは流された。ネマガリダケの藪で、7月とはいえ寒さに震えながら夜明けを待った。2時ごろにやっと雨が上がり、月が出た。ネマガリダケの隙間から見える川面に月明りが写っていて、すぐそこに水面が迫っていることが分かって怖かった。夜が明けると水はだいぶ引いていて、そのまま遡行を続けて岩菅山の一角に出て無事に下山できた。「午後所により雨」の予報では、いわゆる夕立を想定するが、上空に寒気が入っている場合には、通常の夕立の範疇に留まらない規模で雨が続き、急激な増水に至ることがあることを学んだ。それ以降はそのような気圧配置の場合には沢登りをしないようにしている。

 

要因分析

 

装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)

 計画時出発直前行動中
装備
コース
山の状況「晴れ時々曇り 午後ところにより雨か雷雨」のような予報で、天気はそれほど悪くはないと判断した。「晴れ時々曇り 午後ところにより雨か雷雨」のような予報で、天気はそれほど悪くはないと判断した。予想外に夕立と思っていた雨が止まなかった。

 

登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表

 計画時出発直前行動中
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他

 

対策

上空に寒気が入って大気が不安定な時は沢登りをしない。