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山小屋トイレにて、夜8時頃メンバーの1名が脳内出血で倒れる

2017年7月13日

 

発生日2013年10月03日
体験者名2016年Y282
登山地域涸沢カール

 

 

登山概要

■パーティ人数:6
■山行スタイル:山岳会やサークル、クラブの山行
■宿泊:山小屋泊
■登山内容:山頂往復
■天気:晴れ

 

ヒヤリハットタイプ

■解決種別:救助要請(警察・消防)
■病人:他人
■病状種別:不明
■病気の程度:行動不可
■発生時の対応:当人は意識が戻り「頭が割れそうに痛い、熱い、冷やしてくれ」と言うことなので、不眠不休で小生と看護師経験のあるもの2名で頭を濡れタオルで冷やし続けた。翌朝6時に山小屋社長以下スタッフで遭難救助チームが編成され当人をヘリポートまで運んだが、視界不良でヘリが到着したのが3時間遅れの9時頃であった
■発生した後の対応:救助要請
■病気の原因:不明

 

ヒヤリハット本文

涸沢カールの紅葉登山に出発し、初日は徳澤園に宿泊、二日目は13時過ぎに涸沢カール山小屋に到着。小屋および周辺でのんびり紅葉を楽しんだ後、夕食を終え20時消灯少し前に全員トイレに行き就寝する準備をしたが、メンバーの1名(以下「当人」と言う)がトイレから帰ってこないので不審に思いトイレに行ったところ、意識不明状態でトイレ内で倒れていた。鍵のかかったトイレからスタッフの救助で避難小屋に搬送し、たまたま宿泊していた脳外科医に診察していただいたが、脳内出血なのでここではオペも何もできないからヘリで病院に搬送するしかないということになり、山小屋の社長のお世話で長野県警に遭難申請し救助ヘリを要請したが、夜間の山中には救助ヘリが来れないので翌朝6時となった。。(この時、登山届を提出していないことを警察から指摘された) 当人は意識が戻り「頭が割れそうに痛い、熱い、冷やしてくれ」と言うことなので、不眠不休で小生と看護師経験のあるもの2名で頭を濡れタオルで冷やし続けた。翌朝6時に山小屋社長以下スタッフで遭難救助チームが編成され当人をヘリポートまで運んだが、視界不良でヘリが到着したのが3時間遅れの9時頃であった。搬送先は信州大学付属病院、すぐに手術が行われた。術後の報告では、脳内に動脈瘤が2か所あり、そのうちの1か所から出血したとのことであった。

 

要因分析

 

装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)

 計画時出発直前行動中
装備
コース
山の状況

 

登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表

 計画時出発直前行動中
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動当人は他のメンバーよりも少し体力が弱いと感じる時があった。・帰宅後に当人の写真を見ると、少し顔がむくんでいた。また、当人は日頃から頭痛があり、鎮痛剤を飲んでいたようだ。
リスク低減行動の継続的実践
その他

 

対策

1.年度で健康診断を必ず行う。グループ登山の場合、体調不良者がいないか確認する。 2.年度で災害保険加入。 3.登山届を必ず提出する。 4.緊急連絡先を共有する。