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天候による視界不良中の行動

2017年2月24日

 

発生日2015年12月30日
体験者名2016年Y704
登山地域谷川岳

 

 

登山概要

■パーティ人数:1
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:テント泊
■登山内容:縦走
■天気:午前中ガス 午後は下界は晴れ

 

ヒヤリハットタイプ

■解決種別:自力下山
■場所 :下り
■原因(環境):視界不良(悪天候)
■原因(人):
■道に迷ったかもと感じたときにすぐに対応したか:Yes
■迷ったときに現在位置を把握できたか:No
■現在位置や正しいルートを確認する手段:コンパス
■道迷い後の行動:コースを修正して目的地(ルート)へ

 

ヒヤリハット本文

谷川岳に登頂後肩の小屋に入る。同宿者1名のみ。翌日天候悪化のため沈殿決定するが同宿者は食糧燃料ともに切れたとのこと。自分の食糧計画を変更して分け合って停滞。 翌日も視界不良。しかし食料が乏しくなったため下山決意。同宿者とともにコンパス頼りに天神平に向かったが結果としてリングワンデリング。 有効視界が5~10m程度で現在地もはっきりしない状態で不安に駆られたが、ここで立ち止まるわけにもいかないためじりじりと歩き続けた。 何とか尾根のようなものを見つけた時は心の底から「助かった」と喜んだ。そして確実に尾根線に乗れた感じが油断からミスを呼び込んだ。 視界がなく現在地もわからないくせにぼんやりとした周りの状況から「もう大丈夫だ」と勝手に思った。 しかしこの一喜びが実は痛恨のミスの始まり。不安の中でようやく見つけた尾根に疑うことなく「天神尾根である」という決めつけで歩き出した。 不安な状態からの求めていた安心の状態になると人は疑うことを知らない。 自分たちが歩いていたのは天神尾根ではなく、谷川主脈のオジカ沢方向。中ゴー尾根方向の示道標を視界不良のなか見つけたので気が付きました。 晴れていればほんの30分から40分の場所に2.5時間かけてまったく見当違いのところに来たことに呆然としました。 それでも現在地がはっきりしたので気持ちを一旦リセットして、下山のために歩き出します。 尾根上を外れなければ肩の小屋には戻れると気持ちをを前向きにして谷川岳方向に登り返しました。 再スタートしてから1時間程度で天神尾根の上に乗れたのは天神平から登山者があがってきたためでした。 今度こそ本当に助かったと同宿者と喜びを分かち合いました。 視界不良のでの尾根下りは難しいと言います。特に肩の広場のような広い尾根はコンパスを見ながら歩いても少しづつ歩く方向がずれていきます。 途中で見たような「岩」や「踏み跡」などあれば鵜呑みにせず、いろいろ検証するべきです。 しかしまったく違う方向の尾根になぜ乗ったのか?今になっても自分にはわかりません。 悔やまれるのは「尾根に乗った」と思った時にコンパスを見なかったことです。明らかに尾根が伸びる方向が違ったはずです。

 

要因分析

 

装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)

 計画時出発直前行動中
装備
コース
山の状況

 

登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表

 計画時出発直前行動中
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他避難小屋の同宿者と即席パーティを組んだため意思の疎通は良くなかったと思います。 落ち着いていれば問題ないことでも、いざ遭難寸前?の状態になるとなかなか冷静な判断はできないと感じました。 コンパスも地図も持っていながら結果としてリングワンデリングしたことで技術足りなさを痛感しました。

 

対策

その後も風速20~30m位の那須岳で風に倒されながら下山したり、大雪の中の天城山に軽アイゼンを持たずに登ったりと 色々な経験を山には教えて頂きました。少しづつですが勉強しつつこれからも安全第一に楽しい登山が出来ればと思います。