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道迷い

2017年2月24日

 

発生日2014年4月
体験者名2016年Y696
登山地域尾瀬

 

 

登山概要

■パーティ人数:1
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:テント泊
■登山内容:その他
■天気:曇り

 

ヒヤリハットタイプ

■解決種別:自力下山
■場所 :登山道
■原因(環境):
■原因(人):トレース追尾。記憶違い
■道に迷ったかもと感じたときにすぐに対応したか:Yes
■迷ったときに現在位置を把握できたか:Yes
■現在位置や正しいルートを確認する手段:地図
■道迷い後の行動:来た道を戻る

 

ヒヤリハット本文

尾瀬沼から三平峠を越えて大清水に向かう途中、積雪で登山道が埋もれて不明瞭であったところ、先行者の足跡につられ、さらに誤った思い込みと判断で進んだ。 雪があるので斜面をどんどん降りることができた。そのうち前を遮る沢に近づいてきた。 なぜか沢の対岸にあるはずのないところに道があると錯覚し、対岸に行くには橋があるはずなのにないことから変だと思うべきなのに、対岸に何とか行こうとさえ考えた。 助走で勢いをつければ幅3mほどの沢の水流を飛び越えられるだろうとまで思ったが、まずはひと休みした。 気持ちが落ち着いてから地図を取り出してよく見れば、正しい道は尾根の反対側であることに気づき、10分ほど尾根を登り返した。 その結果、正規ルートを見つけ、自力で難を逃れることができた。 思い込みで進んでいたら冷たい雪解け水が勢いよく流れる沢にはまって、おぼれていたかもしれなかったことを思うとぞっとした。何10年もの山歩き経験も当てにならないのだと痛感した。 初めての道ではないが、進んでいる道に自信が持てないときはまずはひと休みすること、地図を取り出して、現在地の確認をすること、登り返しとなっても引き返すことなど、道迷いの時の鉄則を守ろうと思った。 なぜあんなところで間違えたのか?バスの発車時刻を気にしていたことから前のめりになっていたのかもしれない。 急ぐときほど、慎重に進むべきだろう。思い込みは恐ろしい。

 

要因分析

 

装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)

 計画時出発直前行動中
装備地図、コンパスは欠かせない。日帰りでもツェルト、非常食を持つこと。
コース予備の時間を必ず設定する。季節、天気によって行程の状況は変化するもの。
山の状況前回の経験が当てにならないことがある。

 

登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表

 計画時出発直前行動中
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他単独行が多いので、常に最悪の状況を考えて準備しておくべきである。周りをよく見ること。

 

対策

山はいつまでも変わらない、というのはある意味では正しいが、季節や気象によって道の状況は大きく変化する。 以前に来たときの経験はまったく役に立たないこともあり、逆に思い込みが間違った方向に自分を導いてしまうこともある。 山が変わらなくとも山に対する自分が変わっていることを忘れてはいけない。気分、体調、疲労、時間、年齢が変わるのだから、山に対する感性や判断力が変わっても当然である。 山に対しては謙虚に、慎重に、必要なときは大胆に行動できるようにしよう。