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道迷い

2017年2月23日

 

発生日2016年09月24日
体験者名2016年Y256
登山地域槍ヶ岳北鎌尾根

 

 

登山概要

■パーティ人数:1
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:テント泊
■登山内容:縦走
■天気:晴れ

 

ヒヤリハットタイプ

■解決種別:自力下山
■場所 :登山道
■原因(環境):
■原因(人):記憶違い
■道に迷ったかもと感じたときにすぐに対応したか:No
■迷ったときに現在位置を把握できたか:No
■現在位置や正しいルートを確認する手段:勘
■道迷い後の行動:停滞。翌日、来た道を登る

 

ヒヤリハット本文

2日目、天候も良く、5:30北鎌沢出合出発。 先行者(若い姉さん二人組と中年夫婦)がいましたが、体力の無さから置いて行かれ、結局、これ以降の全行程、全て自力でルートファインディングしなければならない羽目に、しかし、北鎌沢右俣も何となく、こちらが正解って感じで9:05北鎌コルに何とかヘロヘロになりながらも到着しました。(さすがにいっきに標高差650mはキツかったです。) 10:50サルの腰掛、13:00ネットで脅かされた、独標トラバースも難なく通過、P11から12も稜線通しで14:30頃に難なくクリアしたものの、インターネットで事前情報はバッチシ頭に入れていたつもりだったがP13と14(そもそも、P~は人によって呼び名が違うのであてにならない)を間違え、はるか下に見える踏み跡らしきものを勘違いしてトラバース、これがこの後、大変な事に…その後、進退極まるところまで降下、行ったり来たりした結果、18:00日没タイムアウト(2日目12時間半)で体力的にもこれ以上の行動は危険と判断し、電波の届かない傾斜地に銀色サバイバルシートとツェルトを身体に巻きつけ、食事も行動食の菓子とグラノーラ、そして、水の残りは2リットル、その後、一時間おきに目を覚まし、生存を確認、夜中には雨が降るは、風は強いは標高2800mでのビバーク、「こういう風にして遭難するんやな」と頭の中で考える一方、「体力温存、天気は良くなる、命懸けでも、稜線に戻ろう」と比較的冷静な自分がいる事には驚きました。 0530翌朝、晴れて、明るくなるのを待ってから、滑落ギリギリ、体力限界状態で稜線まで何とか這い上がり、その後はしばらくの間、北鎌コルでテント泊した若者二人と同行、P14、15をトラバースし、0830北鎌平到着、以降、長休止の後(同行二人は先に出発)、単独で槍の取付きから登坂開始、ネットで有名なふたつのチムニーも何とかこなし、1005久しぶりの槍ヶ岳山頂(3180m)に到着できた次第です。

 

要因分析

 

装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)

 計画時出発直前行動中
装備荷物の軽量化(今回の装備は35リットルパックでシェラフ持たずにダウン上着とサバイバルシートで代用)が必要性を改めて感じました。
コースこのコースは北鎌経験のある先行者、または同行者がいれば楽に登れるかもしれません、しかし、山での行動はすべて自己責任、特に単独登頂を目指すのであれば、慎重に準備をして、山を舐めないこと、今の私では北鎌に誰かから案内してと頼まれても、案内に責任が持てないので断ります。  
山の状況土日休日を含めて五連休として、天気予報を事前に確認しアタックする日を晴れの日に合うように9月22日に和歌山を出発、23日の初日は雨模様の中、上高地を出発、水俣乗越から北鎌沢出合でツェルト泊、雨が上がったと思いましたが、夜中に雨が降ってきました、北鎌尾根登山中も昼間は晴れていたが、ビバーク中夜中に雨が降り、予報とおり朝には晴れましたが

 

登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表

 計画時出発直前行動中
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他北鎌尾根の単独登頂は綿密に計画したものの、結果、無事登頂できたのは運が良かったものだと考えます。 北鎌尾根の登頂を成功するためには、基礎体力(3日間毎日、10時間以上、山で行動できる持久力とスピードの出せる筋力)はもちろんのこと、経験(最低、槍~奥穂高の大キレット、奥穂高~西穂高のジャンダルムのコースは経験した上)と事前の情報収集(特に天候とルートの情報)と綿密な計画、そして、運(天候、水場場所の運)に恵まれなければ、初見での単独登頂はできないと思いました。 

 

対策

北鎌尾根を単独登頂するには綿密な計画だけでなく、半年前から体力作りし、北鎌沢出合から稜線の北鎌コルまで3時間半もかかっては駄目ですね、せめて2時間で登れる体力を身につけなければいけないと思いました。