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奥多摩でリスクヘッジの軽視

2018年2月26日

 

発生日2016年12月04日
体験者名2017年Y075
登山地域雲取山

 

 

登山概要

■パーティ人数:1人
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:日帰り
■登山内容:山頂往復
■天気:晴れ

 

ヒヤリハットタイプ

■解決種別:自力下山
■登山計画時にそのリスクに対する検討を行ったか:あまりしなかった
■行動中にリスク回避や軽減が行えたか:しなかった

 

ヒヤリハット本文

事故ではないですが―― 午前9時に小袖乗り越しからの入山、雲取山から往復で午後4時下山完了の山行でした。 この時の山行は全くの無計画で、、、 ・雲取山まで行くつもりはなかった(自然観察が目的) ・装備はハイキング程度(ライトなし) ・食料・水分ともになし 普通のリュックに、ウェアは普段着のジーンズとスニーカーで着替えを少々。山を歩いていると観察以外にも非日常を歩いていることが段々と楽しくなり、そこで気持ちに勢いがついてずんずんと奥へと進んでいきました。奥多摩といわず、登山自体が数年ぶりとなる状態でのこの時の行動でした。唯一、時間経過だけは気にしていて、下りに同じだけ時間がかかるという見立てで動き、計算上下山が16時を超えそうなタイミングで道を戻るということだけは自分に約束していました。 結果としては七つ石山から石尾根伝いに雲取山まで到着し、暗くなるまでに駐車場に戻れましたが、怪我やハンガーノックを全く想定していなかったのが振り返って見て恐ろしいです。それまでにコンスタントに山歩きをしていなかったことで、自分の身体の限界点をきちんと把握できていなかった故の行動でした。本当の所、長時間の下山でじわじわと疲れがたまり、七つ石小屋さんで(その日初めて)ジュースを補給できた時の生き返ったような気持ちは、なかなか経験したことのないものでした。またその休憩時間のあいだ、たまっていた疲労が身体じゅうに回っていく感覚に見舞われ、予定よりも長い休憩になってしまいました。 今回の件は単なる結果オーライで、もし疲労⇒姿勢を崩す⇒捻挫という事故があればその時点で当日中の下山が不可能となり、その日の詳細を何も伝えられていない関係者にも多大な迷惑がかかるところでした。

 

要因分析

 

装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)

 計画時出発直前行動中
装備装備や食料等に関して  ⇒ 状態がa欄記載の通り。従って何かあれば戻ればいいという考えだったため、距離を稼いでしまっていた場合どういう風に状況が変化するかまでは考えていませんでした。
コース登山コースの選定、登山行程やコース変更に関して  ⇒ 以前にyoutubeで見ていたコースの景色を覚えているだけで、地図も持っておらず、登りで見た景色の記憶だけが頼りでした。
山の状況気象、落石、崩壊、動物などに関して  ⇒ 天気の変化やそれに伴う地形変化は気にしていましたが、その野生生物のことは考えもしませんでした。

 

登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表

 計画時出発直前行動中
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動自分やメンバーの知識・技術・体力、経験、心理、意思疎通などに関して  ⇒ そもそも登る予定をしていなかったのを急に変更したので、登山道の状況やその他注意事項を出発前に調べるという事をしていませんでした。
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他

 

対策

1.万が一遭難した時にどうすれば発見されやすくなるかを考え、事前に登山計画書を必ず作成するようにしています。そして提出先以外にも複写を身内にも渡し、何処に提出するかも含めて伝えています。また山行中のコース変更はよほどのことがない限り行わず、イレギュラー時の動き方などは計画書の中にメモで記載しています。 2.足のケガとハンガーノックの2つをメインにリスクを考えています。毎回の登山記録から必要な食料や水分等の量の確度を上げるようにしています。また怪我対応では、エスケープルートを何通りか設定しています。 3.記憶頼みによる道迷い防止のため、ルートと等高線が付いた地図、コンパスをもって、歩きながら都度自分の位置を確認するようにしています。