発生日 | 2012年08月13日 |
---|---|
体験者名 | 2017年Y114 |
登山地域 | 仙丈ヶ岳 |
■パーティ人数:2人
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:日帰り
■登山内容:山頂往復
■天気:雨と風
■解決種別:自力下山
■登山計画時にそのリスクに対する検討を行ったか:しなかった
■行動中にリスク回避や軽減が行えたか:あまりしなかった
8月某日、朝7時北沢峠でバスをおりる。仙丈ヶ岳をめざして小雨の中を登りはじめた。弱かったは雨がどんどん強くなり、標高ととに風も強くなって、飛ばされそうになりながら目を開けていられないほどの雨の中、稜線を歩いていた。登りでかいた汗としみこんでくる雨で、レインウエアの中もすっかり濡れてしまった。止まるとすぐに体が冷えてしまう。ひどい風雨で休憩を取ることもできずに歩き続けた。お腹もすくし喉もかわいていたが、水も食べ物もザックカバーの中のザックの中。時すでに遅し、ザックを開けられる天候ではなくなっていた。ひたすら我慢して山頂に。一枚写真をとり、そそくさと再び歩き続けてやっと小屋にたどり着いた。湯を沸かして紅茶を飲みほっと一息することができた。しかし一気に水分をとるとトイレが近くなることが気になってカップ一杯弱でやめてしまった。食べ物は疲労のせいかほとんど食べることができなかった。帰りの最終バスに間に合わなくなるので早々に小屋を出て下山するも、雨はやまず、しかも登山道が崩落で通れず、迂回することに。距離も長くなり、濡れた服と下りの冷えで歯のねが合わずガチガチ言い出す。頭が朦朧としてきて足元に集中できなくなってきた。足が止まってしまう。その場にうずくまって寝てしまいたくなる。後ろを歩く娘(高3)の足もすぐに止まってしまう。足取りはノロノロでヨタヨタ。目の前がうっすら白くなってきて思考回路が全く働かず、ああ、こうやって遭難するんだな、と実感した。 悪天候の歩き方、空腹脱水、雨風を歩くための準備の悪さが引き起こした結末だった。そして、登山道が崩落、迂回している情報を把握していなかったことも落ち度だった。下山者がほかにだれもいなかったのだ。ただひとつよかったのはガスバーナーを持っていたこと。そして小屋があったことだ。もしなかったらどうなっていたかなんてことは考えたくもない。 もちろん最終バスには間に合わなかった。 とてもつらい山行だった。 それからは必ずボケットに食べ物を入れ、飲み物もすぐに飲めるように工夫して、ザックをおろさなくてもいつでも補給できるように、というよりはいつも補給しながら歩くようになった。 基本的なことをあなどってはいけないと学んだ。
計画時 | 出発直前 | 行動中 | |
---|---|---|---|
装備 | 晴れているときとかわらない食料の持ち方でザックをあけないと食べられなかったのはよくなかった | ||
コース | 崩落による迂回を把握していなかったのは体力的にも心理的にも痛かった | ||
山の状況 | 小雨だが、降ってきたらかっぱを着る、くらいの心構えしかなかった |
計画時 | 出発直前 | 行動中 | |
---|---|---|---|
楽観的・希望的な解釈 | |||
調査・観測結果に基づくリスク対策行動 | メンバーの歩くペースがあわず、早く歩ける方は後ろを待っている間に体が冷えてしまうし、遅い方は前を待たせないために止まることなく歩き続けなくてはいけなかった 互いに消耗することになった。 | ||
安全最重視の行動 | |||
リスク低減行動の継続的実践 | |||
その他 |
レインウエアをグレードアップした。 いつでも水分と栄養を補給できるような携帯のしかたにかえた。登山計画にしたがっていつも工夫している。 雨でもあせって登り続けないで、休憩をうまくとるようにする。