発生日 | 1982年8月頃 |
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体験者名 | 2017年Y109 |
登山地域 | 薬師岳 |
■パーティ人数:2人
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:山小屋
■登山内容:縦走
■天気:雨
■解決種別:自力下山
■登山計画時にそのリスクに対する検討を行ったか:した
■行動中にリスク回避や軽減が行えたか:した
雨の中、2名で薬師小屋を出発。頂上付近は風が強く、立山までの縦走を計画していたが、しばらく歩いた後でルートから外れていることが判明。戻ろうとしたが風雨が強くて、且つ霧で視界不良で周囲を殆ど見ることが出来ず、進んでは崖の際に出る、ということを数度繰り返した。山小屋泊の予定で前日は薬師小屋宿泊だったが、縦走の場合は必ずツェルト(ペグと張り縄も持参)と寝袋を持っていっていたので、また、山小屋でも半分は自炊予定だったので、暗くなる前の15時前に風をよけることが出来る場所を探して幕営した。雨風でテントの中は水びだしで寝袋もびしょびしょで寒くて寝付くのに苦労した。地図とコンパスを見ながら、だいたいの場所を確認したが、想像と違っていたのでコンパスが狂っていると二人とも判断した。因みに二人とも取り敢えず一流といわれる工学部の出身であるが、思い込みとは恐ろしいものだと後で感じた次第。地図とコンパスが示した場所は正しい場所だった。震えながら2晩をすごしたが風雨は一向に衰えず、仕事の予定もあったので3日目の朝にアンザイレンして、とにかく上に登ったら間もなくして頂上についた。テントの中では、二人とも自分だけは生き残ると思っていて、「いい奴を亡くしました」とのインタビューでの言葉を用意していた。重くはなるが、テント、寝袋と充分な食料、自炊用具があったことで、何事もなかったように下山できたのは僥倖であった。
計画時 | 出発直前 | 行動中 | |
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装備 | 一般ルートなので多少重くなっても余分ともいえる食料を持っていく。 | 山小屋泊だったのでシュラフカバーだけ持っていこうと思っていたが、前日パートナーに電話で確認したら寝袋持参とのことだったので、不承不承当方も寝袋を持っていった。大正解だった。 | |
コース | 急峻な崖を下りようとしたらパートナーが、一般ルートでこの下りはおかしいと言い、初めて迷っているらしいことに気づいた。単独行だったら突き進んだろうことは間違いなかったろう。 | ||
山の状況 |
計画時 | 出発直前 | 行動中 | |
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楽観的・希望的な解釈 | |||
調査・観測結果に基づくリスク対策行動 | |||
安全最重視の行動 | |||
リスク低減行動の継続的実践 | |||
その他 |
一般ルートでも、アルプスなどの大きな山塊の縦走にはビバークに充分過ぎるくらいの装備をするべき。