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道間違い

2017年2月24日

 

発生日2014年08月24日
体験者名2016年Y834
登山地域雲取山

 

 

登山概要

■パーティ人数:2
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:日帰り
■登山内容:縦走
■天気:晴れ

 

ヒヤリハットタイプ

■解決種別:自力下山
■場所 :下り
■原因(環境):
■原因(人):
■道に迷ったかもと感じたときにすぐに対応したか:Yes
■迷ったときに現在位置を把握できたか:Yes
■現在位置や正しいルートを確認する手段:地図
■道迷い後の行動:新しい目標へ移動

 

ヒヤリハット本文

秩父側麓バス停から三峰山経由雲取山に登り、奥多摩駅に下りるルートを女性二人で時々ランと地図読みしながらの山行。スケジュール通りに進んだものの、鷹ノ巣山から六ツ石山~石尾根で奥多摩駅に至る予定が、鷹ノ巣山避難小屋からのルートを判断ミス。小走りで下っている途中で様子が違う事に気づき現在地を確認した所、方向違いの浅間尾根に入ってしまった事がわかった。このまま下りてしまうと、奥多摩駅からはかなり遠くバスもなくなってしまう為ルート選択を迷ったが、登って引き返す時間と鷹ノ巣山避難小屋からの所要時間を考えると、かなり奥多摩駅から遠い山道で夜になってしまうので、このまま浅間尾根を下り早く舗装路に出る事を選択し、再び下り始めた。しかし、道を間違ってしまった焦りからか想像以上に山道は長く感じ、日没までにはまだ時間があるものの、段々薄暗くなってきてしまった。それでもやっと民家の屋根が見えて舗装路に出てホッとしたものの、そこは無人の部落だった。バス停を示す矢印看板を見つけ、指す方向に進むと再び山道へ。昔、生活路だった山道の様だったが、人が通らない山道は荒れ果てていた。日没間近で暗くなり、コンパスだけを頼りにライトで照らし、お互い声を掛け合いながら必死に進むと、やがて民家の明かりが見え人が住む部落に下り立った。明らかに人の家の明かりが見えた時は、心底安堵を感じ涙が出てきた。人工的な明かりが、こんなに暖かく安心を与えるものかと、多分一生あの時の気持ちは忘れられないと思う。

 

要因分析

 

装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)

 計画時出発直前行動中
装備
コース山にも依るが、分岐が多数の場合は計画した登山コースだけでなく、他の登山道を通った場合の行程をシュミレーションもある程度した方が良いと思った。現場ではやはり気が急ぐので、正しい判断をするのは難しいし自信も持てない。
山の状況

 

登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表

 計画時出発直前行動中
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他何度も山行をともにした相手だったので体力や経験などは心配はなかったが、いざと言う時の心理までは把握できないので難しい課題だと思った。体力や動く事に対しての技術には問題なかったが、地図読みの技術や初めての山道、山のレベルを考えると、山行時間にもう少し余裕を持った方が良いと思った。また、夜中や登山者がほとんどいない登山道での山行は今まで何度か経験しているものの、状況や山に依って心理状態はかなり違う事がわかった。何もなければ問題ない相手でも、トラブルが発生した場合には自分も含め行動や心理状態がどう変化するかわからないので、少なくとも行く山によって同行者を見定めなければならないと思う。

 

対策

山では「絶対に大丈夫」と言う確信は何一つない。また同じ山でも、全く同じ状況で登れる事はない。計画を立てる時から、あらゆるリスクを想定して行程を計画し、また登山中も対面する色々な状況に、先を踏まえた行動を取らなければならない想像力を駆使するスポーツだと思う。登っている時でも、様々な山の状態や変化に気を留め、人の行動を反面教師として捉え、常に安全を第一に楽しむ事を常に心がけている。