登山の知識&ヒヤリハット
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ヒヤリハットで疑似体験

転倒による膝靱帯損傷

2018年1月23日印刷
発生日 2016年6月
体験者名 2017年Y125
登山地域 別山
登山概要

■パーティ人数:1人
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:日帰り
■登山内容:山頂往復
■天気:晴れ

ヒヤリハットタイプ

■解決種別:自力下山
■登山計画時にそのリスクに対する検討を行ったか:どちらともいえない
■行動中にリスク回避や軽減が行えたか:しなかった

ヒヤリハット本文

まだ、残雪が所々に残るすがすがしい天候に恵まれ気分は高揚していた。人の選ばない未知なる道が好きな性格から、一般的である王道(市ノ瀬コース)を選ばず、チブリコースから登頂を目指した。計画段階から、ロングなコースであることはわかっていたが、実際歩いてみて自分のような体力のない者にとって、とんでもないロングなコースであった。早朝4時半、真っ暗な登山道を登り初めて1時間くらいで明るくなってきた。空は青い部分が多かったので、午前中が勝負だと思い知らず知らずのうちにペースをあげていた。というのも、過去の山行きでは正午近くになると雲が沸いたり、ガスったりして眺望が効かず、登頂の喜びが半減することが多かったからだ。しかし、このペースが後の事故の要因の一つになったということは、そのときは知るよしもなかった。 結果、登山口から7キロチブリ避難小屋まで、ほぼノンストップで来てしまった。足はパンパン、大量の汗で脱水状態、いわゆるバテバテであった。休憩中には、登り1人と下り1人計2人の登山者としか遭遇していない。ここからまだ3キロほど尾根づたいを登らなくてはならない。稜線直下の急登もある。それを考えると、もうここで引き返そうかという事も脳裏を横切った。しかし、欲を出してしまい、遅れてでも登ることにした。この判断がさらに体力を消耗させてしまうこととなった。そして、下山中「疲れた疲れた」と思いながら嫌々歩いていた頃だった。ちょっとした油断から足を滑らせ、転倒し膝を痛めてしまったのである。しばらく立てずにうずくまって休んだ。この時間から登ってくる登山者は皆無に近い。かといって自分の後から下山してくる人もいないことはわかっていた。どうしようと途方に暮れて30分ほどが過ぎた。とうとう遭難か?日帰り登山のため、テントも食料もない。気持ちを奮い立たせ、足をかばいながら何とか下山した。この経験からなるべく、複数での登山か良く知られた人の多く歩く登山道を無理なく登ることが大切だと学んだ。

要因分析
装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)
装備
最悪ビバークできるように着るものや暖をとるグッズや食料も気持ち多めに持っていくようにしている。
コース
好奇心旺盛なため、人の行かないコースを好む癖があるので要注意
山の状況
天候は事前によく見ていくので雨等の登山は行かない。崩落箇所や動物等については、考えが甘いかもしれない。
装備
コース
山の状況
装備
コース
山の状況
登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表
楽観的・希望的な解釈
計画中は、時間と距離だけしかわからず、コースの難易度まで把握できないため、○○だろう感覚で甘く考えていた。
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
気分が高揚し、勇んでいるのが自分自身もよくわかる。押さえることも必要だ。
リスク低減行動の継続的実践
その他
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
急がなきゃと言う気持ちを優先してしまい、自分のペースを維持することが一番だという基本中の基本を忘れていたことが失敗
リスク低減行動の継続的実践
その他
対策

余裕を持った時間配分を心がけている 気持ちが急いでいると思ったときは、景色や写真を撮り落ち着かせている。 マイペースを心がけ、引き返す勇気を持つことも考える。 山小屋を利用して、無理な行動をさけるように

学びの場

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