登山の知識&ヒヤリハット
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ヒヤリハットで疑似体験

雪渓にて滑落

2018年1月18日印刷
発生日 2014年06月03日
体験者名 2017年Y039
登山地域 奥穂高岳
登山概要

■パーティ人数:1人
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:山小屋
■登山内容:山頂往復
■天気:曇り

ヒヤリハットタイプ

■解決種別:自力下山
■登山計画時にそのリスクに対する検討を行ったか:あまりしなかった
■行動中にリスク回避や軽減が行えたか:しなかった

ヒヤリハット本文

前夜上高地入りし小梨平にテント泊。翌朝出発し涸沢経由で穂高岳山荘へ到着。雪の状態は悪く腐って崩れやすく、ザイテングラードを下山する登山者もこわごわ下りている状態だった。かなり疲れてはいたが、まだ時間はあったため、奥穂高山頂を往復することにした。岩と雪のミックスでアイゼンをつけて梯子を上りだす。中間地点を過ぎもう頂上は見えていたが、上空に黒雲が来て雨になりそうだったのでまた翌朝登ればいいやと思い下山することにした。途中の急傾斜の雪田(上りは雪に正対しピックと手も使って登っていた)で、大丈夫かなとは思ったが自分の技術を過信して一歩踏み出した途端滑落した。とても滑落停止できるような傾斜ではなく前を向いて下にあった岩を確認し、横に来た時しがみついた。運よく止まりそれからは慎重に穂高岳山荘まで下山した。

要因分析
装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)
装備
コース
山の状況
積雪期の奥穂高は2度、涸沢岳は3度経験しており悪天候でなければ単独行でも問題なく行けると考えていた。その年奥穂高岳ではゴールデンウィークに遭難が3件起こっており気を付けないといけないとは思っていたが自分なら大丈夫だと思っていた。
装備
コース
山の状況
装備
コース
山の状況
岩と雪のミックスはアイゼンでは歩きにくい。問題の箇所ではトレースのある穴ぼこに右手のピックと左手を突っ込んで上がったが雪の状態は崩れやすく悪いとは思っていた。
登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
楽観的・希望的な解釈
小梨平から穂高岳山荘に到着した時点でかなり疲労していた。そのんまま山荘で休むこともできたが、山頂まであとわずかだと思い出発した。
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
対策

1、安全第一。ちょっとでも不安を感じたら安全策を考え対応する。    この現場では雪渓に正対してピックと手も使い3点指示で下りていれば問題はなかった(翌朝の登頂時ははそうした)。 2、1歩が大事。その1歩をおろそかにすると大事に至る。 3、疲れている時は無理はしない。 4、自己の技術を過信しない。冬場の厳冬期やゴールデンウィークの雪が締まっている時は経験していたが、雪が腐っている時の  雪面の崩壊を甘く見て、自分の技術なら大丈夫との過信があった。 5、雪山、岩登り・沢登り等のバリエーションでは単独行はしない。 6、不安を感じたらロープを使うなどの対応策を取る。

学びの場

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20181010 2018年9月18日印刷
STEP2 省察
装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)
装備
コース
山の状況
装備
コース
山の状況
装備
コース
山の状況
登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
雨になりそうであったことを把握していなかったことから、事前に気象状況を確認していたのか疑問に思う。
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
滑落時、すぐに雪面にピッケルを刺すなどの初期制動を行わなかった点、またジッヘルの体勢になれなかった点が挙げられる。
リスク低減行動の継続的実践
その他
STEP3 概念化

■類似した自分の登山経験

■どのように対応すべきと考えたか

■今回の分析で獲得した知識や技術

■今回の分析で得た(気づいた)発想

STEP4 専門家との意見交換や登山での実践を行った結果

STEP2とSTEP3の内容の振り返り結果

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