登山の知識&ヒヤリハット
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ヒヤリハットで疑似体験

濁流の一ノ沢

2017年7月13日印刷
発生日 2015年9月中旬
体験者名 2016年Y906
登山地域 常念岳からの下り
登山概要

■パーティ人数:2
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:山小屋泊
■登山内容:縦走
■天気:雨(台風接近)

ヒヤリハットタイプ

■解決種別:自力下山
■気象種別:強風
■発生後の対応:続行

ヒヤリハット本文

前々日中房温泉を出発し燕岳(燕山荘)泊~大天井岳(大天荘)休憩~常念岳(常念小屋)泊にて一ノ沢下山予定にて山行。1日目天気は曇り、2日目曇り時々雨にて縦走後常念岳登山予定が雨のため断念。燕山荘に到着後天気予報により台風が近づいていることを知り、下山を考えるもせっかくの休みを取った為、また台風の速度がそんなに早くないのを踏まえ2日目の山行を決行するも大天井岳を過ぎる頃より雨・風共に強くなりその日の常念岳登頂を断念。小屋の主人から状況を聞きつつ翌日も雨が強くなることを聞き、翌朝に考えていた常念岳登頂も断念する。そうなるとどのように朝下山するかを考え小屋の主人にもアドバイスをもらい「この位の雨ならば靴は翌日履けないだろうが膝ぐらいの入水で何とか降りられるだろう」との事だったので、意を決し一ノ沢から下山開始。登山初心者の夫婦で、二人ともこの様な状況を想定していた訳も無く軽く考えていた為、「何とか行けるだろう」と安易な気持ちでStartする。最初小屋前から胸突き八丁辺りまでは、よくある雨の登山道の様な感じで少し川の様になっていたもののそこを過ぎた辺りから沢が見え始めると「本当にこんな濁流の横を進めるのだろうか?」という不安に駆られ始めた。小屋の主人から「以前忠告も聞かずに下山した女性が川に流され亡くなった」と聞かされていた為二人とも非常にビビりながら下山したのを思い出す。途中濁流の本流と登山道が接近する箇所が何ヵ所かあり、小屋の主人から言われた通り膝まで水に浸かりながら体を水に持って行かれないよう注意しながら進んだのを思い出す。ずっと雨も降り続いていた為途中の休憩場所でもあまり立ち止まらず下山をした。3~4時間かけて下山をし、駐車場に呼んでおいてもらっていたタクシーをみたときは心底ほっとし小屋の主人に安否の連絡をドライバーさんに入れて頂いた。その後中房温泉の駐車場までの車内では、二人とも茫然自失状態で雨に濡れたせいか非常に寒かったのを記憶している。

要因分析
装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)
装備
長期山行(縦走)が初めての事であった為十分な装備を持たずに出発してしまった。 食糧に関しては、そんなに空腹に思った事は無かった為あまり気にはしていないが 少し多めに持つ必要があるとは考える。
コース
今思うと初めての縦走を、4~5回しか登山をしていない初心者がいきなり常念山脈の縦走など 無謀に思う。エスケープルートなどもまったく考えが無かった。
山の状況
ここが一番の問題点であると思う。自宅のテレビで確認した天気予報では、出発前は太平洋のはるか遠くにあった台風が いきなり日本列島に近づいて来た事を燕山荘に宿泊した際確認していればこの様な事態にはならなかったと思われる。 やはり山では、こまめに天気については確認すべきであると認識した。
装備
もっと勉強!
コース
もっと勉強!
山の状況
もっと勉強!
装備
コース
山の状況
登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表
楽観的・希望的な解釈
正直このときは、はっきり言うと「山をなめていた」と思う。 天候の変化や、装備の充実、状況の把握という事を勉強しなくてはと 今は感じている。
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
楽観的・希望的な解釈
めちゃくちゃ認識が甘かった。上記した山をなめていた。と思う 知識もない、経験もない、体力もどんどん落ちてきている。 もっと筋力、経験、知識すべてを身につけなければ…
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
対策

その後も風速20~30m位の那須岳で風に倒されながら下山したり、大雪の中の天城山に軽アイゼンを持たずに登ったりと 色々な経験を山には教えて頂きました。少しづつですが勉強しつつこれからも安全第一に楽しい登山が出来ればと思います。

学びの場

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20170014
おすすめ学習レポート
2018年1月10日印刷
STEP2 省察
装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)
装備
コース
沢沿いのコースは、雨の時には避けたいですね。
山の状況
装備
コース
山の状況
装備
コース
山の状況
登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
天気予報をいくつか見比べて、好天周期の時を狙って安全登山をしたいと思いました。
安全最重視の行動
常念山脈自体は難所がないので、初心者縦走にそんなにハードルが高すぎることはないと思います。ただしあらかじめエスケープルートの選定や、天気予報のこまめなチェック、装備の完備が必要ですね。
リスク低減行動の継続的実践
その他
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
STEP3 概念化

■類似した自分の登山経験


■どのように対応すべきと考えたか

濁流の沢沿いを歩くのはとても怖かったと思います。ご無事でなによりです。

小屋のご主人のアドバイスも、??な感じがしました。濁流を、靴を濡らしながら渡ることはとても恐怖を感じることだと思います。

小屋にもう1泊するのがよかったのではないかなと思いました。そうすれば、台風は速度を上げていたようですし、翌日には条件のよくなった登山道を降りられると思いました。

■今回の分析で獲得した知識や技術

登山専用の天気予報サイト・アプリを使用して、山頂付近の天気をチェックすることが大事だと思いました。各社色々登山天気予報をサービスしているので、いつでも利用できるように準備しておくようにしようと考えています。
とにもかくにもご無事で何よりです。

■今回の分析で得た(気づいた)発想

STEP4 専門家との意見交換や登山での実践を行った結果

STEP2とSTEP3の内容の振り返り結果

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