登山の知識&ヒヤリハット
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ヒヤリハットで疑似体験

残雪期蝶ヶ岳道迷い

2018年1月17日印刷
発生日 2007年7月
体験者名 2017年Y014
登山地域 残雪期蝶ヶ岳長塀尾根
登山概要

■パーティ人数:1人
■山行スタイル:個人山行
■宿泊:山小屋
■登山内容:周回
■天気:快晴

ヒヤリハットタイプ

■解決種別:自力下山
■登山計画時にそのリスクに対する検討を行ったか:あまりしなかった
■行動中にリスク回避や軽減が行えたか:どちらともいえない

ヒヤリハット本文

蝶ヶ岳に登るのも、残雪期に登るのも、初めて。水1000ml、行動食は400kcal相当を持参。アイゼンなし、標準的夏山服装(長袖・長ズボン)。計画は08:00徳澤口~蝶ヶ岳~横尾口~17:00横尾着、行動時間9H見込で計画。標高2400m前後から残雪あるが登山靴にて行動可能、の下調べ。8:00徳澤口より入山。残雪は下調べ通り2400m付近から出現。慣れない雪に視線は自然と下向きになり、歩きやすいところを探すようになっていたと思う。斜面と自分の立位で感じる角度の感覚が地図の等高線から予測していたものと違ってきたこと、植物の繁り方がどうも違うこと、道標長塀山を確認していないこと、から徳澤側に入りこんだのでは?と予測し、地図を確認。子尾根のひとつを越えようとしている辺りかと予想してそのまま直進、予想が多分ただしいと判断し、そのまま妖精の池手前に出るように行動修正し長塀山稜線に復帰。行動計画は余裕を持って14:00蝶ヶ岳ヒュッテ通過予定としていたが、実際も14:00通過となったことから、行動が遅れ気味になっていると思い泊予定山小屋に到着見込時刻修正連絡を入れた。結果としては、計画時刻通りで山荘着となった。

要因分析
装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)
装備
行動時間と予想気象条件からアイゼンを携行しないことにした。水は1000ml程度でよいと思った。行動食はあまりとらないのでゼリー飲料とした。
コース
無雪期と同じ感覚で計画していた
山の状況
天候は好天が予想された  
装備
アイゼンを携行するか迷ったが、登山靴で行動可能と判断した。
コース
コースタイム×1.3で行動時間を計画し直し、日没時間を確認した
山の状況
天候は安定しており、行動期間中悪天候ではないと予想した
装備
アイゼンを装着していれば、歩きやすかっただろうと思われる状態だった
コース
余裕をもってコースタイム×1.3にしていたこと、日没時間を確認していたことで精神的に余裕ができた
山の状況
好天に恵まれたことも精神的に余裕ができた
登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
計画立案時、直前の情報収集は標準と思う。残雪期の登山も蝶ヶ岳に登るのははじめてだった。
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
再度、直近の残雪状況を確認した。展望は望めないため、等高線から徳澤側に貼りこんだ場合とそれ以外の場合を立体的に想像していた。
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
等高線から立体的に斜度を想像していたことやポイントの周辺写真をガイドブック等で見ていたので、違和感を感じ行動修正ができた
対策

地形図から地形を想像するほか、高度計機能のある装備を以後携行/その時の状況に応じアイゼンを携行/地図は休憩やポイントごとに必ず確認するようにした/読図講習を受け、定期的に読図を学ぶ機会を持っている/行動時の水分・食料を1.5倍にした/無雪期にも積雪時の景色を想像するようになった

学びの場

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20181024 2019年7月7日印刷
STEP2 省察
装備や外的要因の分析(3×3要因分析表)
装備
コース
余裕を持った行程で計画されていた
山の状況
装備
コース
山の状況
装備
コース
山の状況
登山者自身の内的要因分析(技術、知識、体力、経験等)3×5登山者分析表
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
登山コースの事前調査、特に迷いやすいところのシミュレーションも含め、きちんとしてていた
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
安全最重視の行動
リスク低減行動の継続的実践
その他
楽観的・希望的な解釈
調査・観測結果に基づくリスク対策行動
間違ったコースに入ったときに、事前調査の結果に基づいて早めに気づくことができた
安全最重視の行動
登山コースを間違ったかな、と思ったときにすぐに現在位置確認の対応を行った
リスク低減行動の継続的実践
その他
STEP3 概念化

■類似した自分の登山経験

■どのように対応すべきと考えたか

■今回の分析で獲得した知識や技術

リスク回避を適切に実行されているすばらしい登山です。
改めて以下のことを着実にやることの重要性を確認しました。
①登山コースの事前調査はしっかり行う(コースの方向、斜度の変化、周りの地形や植生など)。
②登山の行動中に、視界に入る情報から事前に調査したことと違う場合には、おかしいなという違和感を察知する。
③ルートを間違ったかもと感じた時にはすぐに現在位置を確認するなどの対応をとること。

このように記載すると当たり前のように感じますが、実際の登山の行動中に確実に実践していない人は多いです。
今回の事例を見本にしていつもしっかり実践できるよう心掛けたい。

■今回の分析で得た(気づいた)発想

STEP4 専門家との意見交換や登山での実践を行った結果

STEP2とSTEP3の内容の振り返り結果

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