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ヒヤリハットで疑似体験
発生日 | 2016年08月11日 |
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体験者名 | 2016年Y939 |
登山地域 | 北アルプス・薬師岳 |
登山概要
■パーティ人数:6人以上
■山行スタイル:ツアー登山
■宿泊:山小屋泊
■登山内容:縦走
■天気:晴れ(ガス)
ヒヤリハットタイプ
■対応(解決種別):[救助要請(山小屋・他登山者)]
■場所:[下り/一般登山道]
■原因(人):[疲労/足がもつれて]
■原因(コース/環境):[―]
■怪我の程度:[軽傷]
■怪我の部位:[顔/手足]
■転倒した瞬間の対応:[行わなかった]
■転倒距離:[1m]
ヒヤリハット本文
折立から4泊5日で黒部五郎、鷲羽・水晶、雲の平を経て薬師に登り、折立へ下山。最終日の下山時、登山口まであと1時間くらいのところで同行の高齢女性(70代)が転倒して顔を負傷。足がもつれて顔面から転び、顔や手足を打撲。登山ガイドと添乗員が応急手当てを行ったあと、ロープで確保しながら自力下山した。登山口についたころには人相が変わるほど顔がはれ、同行者皆が心配した。その日のうちに病院で受診し、無事帰宅されたということを後日聞き、一安心であった。事故を起こした女性はハードなツアー登山に参加するにもかかわらず、事前にトレーニングなどは一切行っていないといい、ペースが遅く、ツアー全体の行程が遅れる原因となっていた。3日目、彼女の足並みを見た登山ガイドは水晶岳への往復を止め、健脚者以外は小屋で待機させた。4日目、太郎平の小屋で待つようにというガイドの制止を聞かず、薬師岳の小屋まで上がった彼女は、疲れがたまっていたようで、ごはんをしっかり食べることができていなかった。5日目、山の日で登ってくる人とのすれ違いが多く、蒸し暑い中での下山は予想以上に時間がかかった。メンバーみな疲れがたまり、足を滑らせたりつまずいたりすることはままあったが、けがをするほどのことはなかった。そんななか、実力以上に無理をした彼女は、とうとう受け身も取れないまま転んでしまった。せっかく来たから登りたいという気持ちはわかるが、山では限界を超えた無理をしてはいけないといことを、あらためて教えられた。
要因分析
装備 | |
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コース | |
山の状況 |
装備 | |
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コース | |
山の状況 |
装備 | 最後までしっかり歩ける人は小屋での食事をしっかりとり、行動食も自分に合ったものをきちんと用意していた。疲れが出て固形物を消化できなかったり、高山病のような症状のある人は、対応できる食料が準備できておらず、補給が充分でなかったと考えられる。荷物は長丁場なので、みな軽量化を工夫していた。 |
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コース | |
山の状況 |
楽観的・希望的な解釈 | |
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調査・観測結果に基づくリスク対策行動 | |
安全最重視の行動 | |
リスク低減行動の継続的実践 | |
その他 |
楽観的・希望的な解釈 | |
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調査・観測結果に基づくリスク対策行動 | |
安全最重視の行動 | |
リスク低減行動の継続的実践 | |
その他 |
楽観的・希望的な解釈 | |
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調査・観測結果に基づくリスク対策行動 | |
安全最重視の行動 | |
リスク低減行動の継続的実践 | |
その他 | 個人的にはこの夏の目標としての登山だったので、事前に山行を重ねて体力や装備を準備した。ツアー登山はバスで登山口まで行けるので利用することが多いが、参加者はおおむね高齢者でペースはゆっくりである。登山添乗員と現地登山ガイドがついて行程を管理しているので、安心感はある。リピーターが多いので、お互いの力量はなんとなくわかる。食事を小屋でなるべくとるなど、負担を減らす工夫はされているが、中には体力が見合っていないと目される参加者もいる。ツアー登山なのでまったく地形図や計画書を見てこない参加者もおり、良し悪しである。ペースの遅すぎる参加者に対し、不満を持つものも数名いた。 |
対策
日頃の体力づくり。行動食の工夫。同行者の足元を見るなど、メンバー全体の様子に気を配るようになった。疲れているように見えれば、無理に追い立てず、歩き続けられるペースになるように誘導する。登山ガイドや添乗員はすべてに目が届くわけではないので、参加者同士で気を配れるように会話をしてコミュニケーションをとる。
学びの場
ヒヤリハット体験への学習レポートを書き込んだり、学習レポートへコメントをつけたりしてみんなで対策を考えましょう。
※学習レポートの書き込み及びレポートへのコメントの投稿はログインユーザのみ利用可能です。
STEP2 省察
装備 | |
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コース | 寄せ集めの登山ツアーにて、当該コースを踏破するのは非常に困難で危険である。準備山行を、ツアー会社が何度か実施する必要があった。 |
山の状況 |
装備 | |
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コース | |
山の状況 |
装備 | |
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コース | |
山の状況 |
楽観的・希望的な解釈 | |
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調査・観測結果に基づくリスク対策行動 | |
安全最重視の行動 | |
リスク低減行動の継続的実践 | |
その他 |
楽観的・希望的な解釈 | |
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調査・観測結果に基づくリスク対策行動 | |
安全最重視の行動 | |
リスク低減行動の継続的実践 | |
その他 |
楽観的・希望的な解釈 | |
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調査・観測結果に基づくリスク対策行動 | |
安全最重視の行動 | |
リスク低減行動の継続的実践 | |
その他 |
STEP3 概念化
■類似した自分の登山経験
■どのように対応すべきと考えたか
この転倒事故については、まず全責任は登山ツアー主催会社にあります。登山口で皆さん初めましてという状態で、4泊5日の行程を踏破することに無理があります。個人ガイドを雇うより、コストがかからず多くの登山者が利用している登山ツアーですが、ガイドが顧客の技量・体力を事前にみることは不可能で、登山口で蓋を開けてみないと全貌がわからない、という、とても危険なことをしています。
事前山行をしてきてください、とアナウンスしていても、事故者のように全く準備をしてこない方も参加しています。このような業態こそが事故を招くのだと思います。
登山ツアー会社が、長丁場や大きなツアーイベントを開くのであれば、シリーズ形式にして、準備山行の段階から顧客のケアを行うべきだと考えます。
ニュースにならない登山ツアー事故は毎年起こっており、それが野放しにされている現状は、山岳界で早急に対策を講じるべきです。
また、登山ツアーは、ガイドが顧客の顔をしらないのと同様に、顧客もガイドの力量を知るすべが事前にありません。お互いにリスクを背負った山行と言えます。
私がもし現場のガイドでしたら、事故者の容態をみて、そんなに顔が腫れて重症であれば、救助要請をしているかもしれません。無事に下山できたからよかったものの、ツアーガイドは救助要請をすると会社から咎められることもあるので、その様なことをしたがりません。それが重大な二重遭難につながる可能性があるにも関わらずです。
投稿者様の書かれている通り、事故者の方もガイドの指示を守らず、体力温存が十分にできていなかったようですね。ツアーだから大丈夫、という根拠のない安心感があったのかと思います。
■今回の分析で獲得した知識や技術
■今回の分析で得た(気づいた)発想
STEP4 専門家との意見交換や登山での実践を行った結果
STEP2とSTEP3の内容の振り返り結果
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